財政力の弱い自治体に集中的に再配分する検討

悠翔です、再配分の原資には企業が都道府県や市町村に納める法人住民税を充てる。
合計で3兆円程度の税収のうち1兆円程度をいったん国が集め、国からの資金支援である地方交付税交付金として財政力の弱い自治体に配る。
地方交付税は十分な税収がある東京都や愛知県豊田市といった約60の自治体は受け取れない。
こうした不交付団体にはお金が戻らず、純粋に出ていくだけになる。
14年度からすでに6千億円程度を国が吸い上げて再配分する仕組みを導入しており、17年度から新たに4千億円程度を上積みする。
積み額はさらに増える可能性もある。
17年4月に消費税率を10%に引き上げれば、自治体 に入る地方消費税の税収も増える。
都市部の自治体が一段と豊かになるため、地方に回すお金を増やす。
政府は08年度から、地方税の法人事業税についても地方法人特別税の名称でいったん国庫に入れ都道府県に再配分してきた。
政府は東京都などに配慮するため17年度から特別税の縮小・廃止を検討する。
豊田市など法人住民税の再配分で税収が大きく減る市町村への支援策も検討する。
都市の税金を地方に回す取り組みはそれぞれの自治体が自前で歳入を賄うという地方分権の理想的な姿に逆行するとの見方もある。
東京都は14年度からの再配分で法人住民税の税収が年間2千億円程度減る。
17年度以降に3千億円程度に広がる可能性がある。
舛添要一知事は増えた税収を奪われるなら何のた めに企業を呼ぶ努力をしているか分からないと批判する。
ただ、反対論は全国規模には広がらない。
東京などに集中する税収を財政の厳しい自治体に広く薄く配るので、損する自治体よりも得する自治体の方が多いためだ。
全国知事会は法人住民税の再配分をさらに進めるべきだと支持。
矛盾を抱えつつも多くの自治体が再配分に頼らざるを得ないのが実情だ。
自民、公明両党の税制調査会は消費税の軽減税率の議論に時間を取られている。
法人住民税の再配分も今年末に結論を出せない可能性もある。